黒船Netflixの本当の凄さ。

taro.tsuruga@webinar-c-lab.com/ 8月 13, 2017/ ビジネスモデル, マインドセット, 副業, 起業/ 0 comments

はい、こんにちは。
ウェビナーCラボの鶴賀太郎です。

 

皆さん、NETFLIXって活用してます?

すごいですよね。

 

僕自身はグアム時代にDVDのレンタルサービスとしてNETFLIXを使い始めたのですが、気づけば世界を席巻するとんでもないサービスになっていました。

 

NETFLIXなどSVOD(定額制動画配信)の凄さを語る時、Subscriptionとか限界費用がゼロに近いというような話がでるかと思います。

前者は月額固定費を取り続けるサービスという意味で、後者はたとえば僕が一本追加で映画を視聴しようが、Netflix側にかかるコストがほぼゼロだということです。

 

確かにこうしたビジネスモデルは昨今のトレンドですし、Netflixはその中でも成功している会社です。

 

でもNetflixの本当の凄さってそこじゃないと思うんですよね。

 

それはオリジナルコンテンツにあります。

 

たとえば

『ハウス・オブ・カード』

 

これは2013年に始まって世界的にメガヒットをしているドラマです。

 

ご覧になった人も多いかと思いますが、日本人の多くはこのドラマを単なる「海外ドラマ」と考えてしまっています。

 

でもこのドラマがエポックメイキングなのは、先程も話したとおりこれがNetflixオリジナルコンテンツだからです。

 

『ハウス・オブ・カード』の監督はデビット・フィンチャー

フィンチャーといえば、「セブン」「ファイトクラブ」「ソーシャル・ネットワーク」「ゴーン・ガール」など、一捻りの効いたヒット作品を次々と作り出してきたハリウッドきっての人気監督の一人。

 

そして主演のケビン・スペイシーは、「ユージュアル・サスペクツ」「セブン」「LAコンフィデンシャル」「アメリカン・ビューティー」など多くのヒット作で抜群の存在感を示している超売れっ子俳優

 

今まで、ハリウッドのこのクラスの人たちはテレビの連ドラには携わりませんでした。

 

その大きな理由はギャラで、テレビ側の制作サイドからするとビジネスモデル的に、巨額のギャラを払わなければいけない大物監督、大物俳優は使いにくいというものがありました。

 

しかしNetflixは彼らを起用しました。

彼らを起用できたポイントは二つです。

 

一つは今お話したとおり、お金の問題です。

 

『ハウス・オブ・カード』は、1話あたり約5億円の制作費で始まりました。今では制作費も跳ね上がっているみたいですが、この5億円という数字もすごいものです。

アメリカの人気ドラマシリーズでも、1話あたり4億円以上というものはほとんどありません。

それを考えると最初から5億円を計上するのはかなり思い切った投資です。

ちなみに日本だと大手配給映画が作るメジャータイトルでも平均して制作費は3.5億円程度とのことです。

 

 

しかしNetflixがハリウッドの大物を登用できたのはお金の問題だけではありません。

彼らはハリウッドにはないものを提供したのです。

 

 

それは自由です。

 

 

大統領を目指すケビン・スペイシーが悪事の限りを尽くすわ、バイセクシャルだわ、人を殺すわでめちゃくちゃです。

スポンサーに配慮しなくてはいけない地上波はおろか、MPAA(アメリカ映画協会)がつけるレイティングによって公開条件が変わる映画業界でも嫌がられる内容です。

 

でも本来クリエイターって自由が欲しいんですよ。

 

制限をかけられず思いっきり好きなもの、面白いものを作りたい

 

だからスポンサーやMPAAを気にせず製作ができるNetflixは魅力なんです。

 

そう思っているのはフィンチャーだけでなく、多くのクリエイターがこの流れを受けNetflixなどのサービスに流れていっています。

かの気難しいで有名なウディー・アレンが、Netflixで作品を作ると聞いたときにはびっくりしたものでした。

 

それだけクリエイターにとっては魅力なんですよね。

 

その結果クリエイターがワクワクして作品を作る、そのワクワクが作品のクオリティーにも反映されて視聴者にも伝わる、そしてNetflixは投資を回収する、という循環が生まれています。

 

でね、今回のブログのタイトルに「黒船」という言葉が入れていますけど、実はNetflixは日本にも大きな影響を及ぼすんです。

 

というのもNetflixは日本発のオリジナルコンテンツにも力を入れ始めているからです。

 

そのドラマの第一弾となったのは、又吉さんの芥川賞受賞作の『火花』。

その他にも『孤高のグルメ』の久住先生原作の『野武士のグルメ』が竹中直人主演で作られたり、明石家さんまさんプロデュースのドラマが作られたりしています。

ドラマだけではなくアニメにも出資しており、現在50以上の制作会社とパートナーシップを組んでいるとのことです。

 

日本のアニメは国際的に評価が高いということばかりがよく注目されていますが、労働集約型の産業の伝統が確立されてしまって、お金がなく相当ブラックな環境でアニメーターは働かされています。

 

NetflixなどSVOD(他にはAMAZONプライムとかHuluとか)の参入によって、こうした状況が改善される可能性はあります。

 

それは喜ばしいことなんですけど、改善されるということは従来のビジネスモデルは崩壊するということですよね。

 

具体的にいうと超ピンチなのはテレビ局です。

 

テレビ局は過去50年以上に渡り、コンテンツ供給の絶対王者でしたよね。

総務省に守られた放送免許莫大な広告収入とその潤沢な資金に担保されたクオリティーの高いコンテンツが絶対王者の根拠でした。

 

しかし若者のテレビ離れやライフスタイルの多様化(好みの島宇宙化)などによって、広告収入はどんどん減少していっています。

 

その中、現場の人は制作費をどんどん抑えられながらも知恵を絞りながら一生懸命やっていますが、新しい収益モデルを作ることができていません。

 

さらにいうと、テレビ局の強さの源泉だった放送免許のパワーは、インターネットの出現によってどんどん無力化されていっています。

 

僕は10年以上前にインテルで働いていたのですが、当時「放送とインターネットの融合」を掲げて、一生懸命総務省にロビーイングをしかけていましたが、放送免許利権の牙城はなかなか崩せませんでした。

でもインターネットの普及やSVODなどの登場によって、放送免許の相対的価値がどんどん下がってきています。

 

僕が就職活動をしていた1990年代半ば、テレビ局が没落することなんて想像もできませんでした。

 

でも放送免許パワーが低下し収益性も下がった今、パワーの源泉だったコンテンツ供給の主導権もNetflixなどのSVODに取られかねない勢いです。

 

大学を卒業して野村證券に入って以来、ずっとビジネスモデルに注目しながら経済を見るクセがついていますが、二十数年間色々なビジネスモデルを見てきて確信していることは、

 

  • 未来永劫続くビジネスモデルはない

 

  • 劇的なビジネスモデルの変化はテクノロジーによってもたらされる

 

 

ということです。

 

ビジネスモデルは、社会構造産業構造、そしてテクノロジーによって変わってきます。

 

社会構造的にいうと、先進国では経済的発展は一服し成長率も鈍化し、人口的にも高齢化しています。テクノロジーはインターネットの出現以降恐ろしいスピードで進化しています。

 

ということは今まで機能してきたビジネスモデルがどんどんワークしなくなってきます

 

テレビ局にとっての黒船は、Netflixという形で海外からやってきました。

でもこれからは日本の中からあなたのいる産業の黒船が勃興してくるかも知れません。

 

黒船に戦々恐々とするか、黒船に軽やかに乗り換えるか、それともあなた自身が黒船になるか?

 

決めるのはあなた自身です。

 

それではまた明日!

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>
*
*